認知症の鑑別診断において必須の神経症状
兵庫県立姫路循環器病センター 高齢者脳機能治療室
記憶障害、見当識障害、妄想
幻視、パーキンソニズム、症状の変動、REM睡眠行動障害
思考緩慢、歩行障害
(a)前頭側頭型認知症(FTD:Frontotemporal dementia) | 反社会的行動、常同行動、時刻表的生活 | |
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(b)進行性非流暢性失語症(PNFA:Progressive nonfluent aphasia) | 非流暢性失語 | |
(c)意味性認知症(SD:Semantic dementia) | 語義失語 |
パーキンソニズム(一側性)、思考緩慢、失語(優位側側頭葉の萎縮の場合)
垂直性眼球運動障害、パーキンソニズム、後方転倒傾向
歩行障害、尿失禁、思考緩慢
意識障害、傾眠
記憶障害、FTD様症状(易怒性、性格変化等)、緩徐進行性
□ 疑われる疾患
せん妄の除外診断のために意識混濁、意識変容の有無を確認する。
過度の傾眠や覚醒時の一時的混乱をきたす注意・覚醒レベルの変動(認知機能変動)
□ DLB
認知機能変動や起立性低血圧などの自律神経障害による失神・一過性意識消失
□ DLB □ MSA:Multiple system atrophy(多系統萎縮症)
VaD、NPH、DLBはそれぞれ歩行障害を呈しやすいので、歩行状態は必ず確認する。
□ VaD □ NPH □ DLB
□ DLB/PD:Parkinson‘s disease (パーキンソン病)
□ PSP (下方視制限優位) □ CBD (上方視制限優位) □ DLB (上方視制限優位)
両側大脳半球病変により生じた嚥下機能障害
□ VaD □ PSP
延髄の障害による嚥下機能障害
□ MND with FTD(湯浅・三山型筋萎縮性側索硬化症)
MND:Motor neuron disease(運動ニューロン疾患)
DLBは固縮が目立つ。特に体幹・頚部の固縮がみられやすいので、必ず患者の頚部にふれて確認をする。安静時振戦はDLB初期では目立たないこともある。血管性認知症の場合、脳血管性パーキンソニズムがみられることがある。
筋固縮・寡動・振戦・姿勢反射障害・仮面様顔貌
□ DLB/PDD(認知症を伴うパーキンソン病) □ PSP □ CBD □ VaD □ NPH □ HD(Huntington d.)
□ MND with parkinsonism □ FTDP(パーキンソニズムを伴う家族性FTD)
立体覚や二点識別覚などの複合感覚障害
□ CBD
片側上肢の意図しない運動 片側上肢の随意運動を対側の上肢が意図せず阻害する行為
□ CBD
関節運動を伴わない素早い筋収縮
□ CJD(クロイツフェルト・ヤコブ病) □ CBD □ AD
□ DRPLA(歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症) □ 進行性ミオクローヌス癲癇
□ HD(Huntington d.) □ Chorea-acanthocytosis □ Hallervorden-Spatz d.
□ Wilson d.
□ MSA □ PSP □ 脊髄小脳変性症(SCD:Spinocerebellar degeneration)
□ Wernicke-Korsakov
□ VaD □ NPH
□ 筋緊張性ジストロフィー
□ PSP
□ PSP □ CBD