
- 掲載されている薬剤の使用にあたっては、各製剤の最新の電子添文を参照ください。
- 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
- GI-BONEによる画像解析は核医学画像解析ソフトウェア medi+FALCON*を使用することで実施可能です。
(*認証番号:301ADBZX00045000) - 画像提供:昭和大学医学部 泌尿器科学講座 中神 義弘 先生
GI-BONEを用いて治療選択と病勢評価を行った前立腺癌症例
監修
中神 義弘 先生
昭和大学医学部 泌尿器科学講座
骨シンチグラフィは、前立腺癌の造骨型骨転移検出に有用性が確立された検査1)である。
Planar像にSPECT撮像を追加することで診断能が向上する1)とされ、得られる断層像により、深さが異なる病変の評価、投影方向に重なっている病変の評価、集積の空間的広がりの把握などが可能となる。
近年、前立腺癌の骨転移診断に用いられるBSIは、Planar像(2D)により算出される定量指標であるが、GI-BONEは、骨SPECT画像(3D)をSUV※変換することで定量値を算出する核医学画像解析ソフトウェアである。
※SUV:Standardized Uptake Value
放射性薬剤の集積の強さを表す定量指標




SUVpeak:設置された関心領域内の最大値を示すpixelを中心とした1cm3球体のVOI平均値
SUVmean:設置された関心領域に含まれるpixel値の平均値
MBV:Metabolic Bone Volume/閾値法により計測した薬剤の集積体積(cm3)
TBU:Total Bone Uptake/MBV(cm3)にSUVmeanを乗じて得られる値
GI-BONEによる定量評価により、LHRHアゴニスト単独療法中のPSA上昇時(新たな内臓転移なし)に223Raを選択



骨病変ごとに223Ra治療に対するレスポンスの定量評価が可能であり、ほぼ全ての病変で改善を認めた。
●前立腺癌における骨転移についてGI-BONEを用いて定量的な評価を行った。
●治療前後でGI-BONEを用いることで、Planar像やBSIでははっきりしない変化であっても、SUVおよびTBUの改善として評価できると考えられた。
●PSA評価に加えて、画像評価はmCRPCの骨転移治療において必須1)であり、GI-BONEを用いた定量評価は提示症例において、有用であると考えられた。
1)日本泌尿器科学会(編).前立腺癌診療ガイドライン2023年版