乳癌の転移・再発診断 骨転移診断
造骨転移はFDG-PET/CTのCT像により骨シンチと同等の検出感度をもつため、全体的に骨シンチよりも診断能が高い。ただし、小さな病変に関しては骨シンチ同様に限界がある。1)~5) |
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造骨転移の検出には優れているが、骨折部位などにも集積するため偽陽性が多い。1)~5) |
1) Surg Oncol. 2013;22(2):86-91
2) Ann Oncol. 2012;23(4):834-43
3) J Clin Oncol. 2010 Jul 1;28(19):3154-3159
4) J Clin Oncol. 2016 Jun 1;34(16):1889-1897
5) 科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン②疫学・診断編 2015年版
J Clin Oncol. 2010 Jul 1;28(19):3154-3159
転移性乳癌疑いの女性患者163例において、骨転移に関するPET/CTと骨シンチの画像所見は、一致132例(81%)、不一致31例(19%)であった。不一致31例中12例(39%)は、病理学的に骨転移が確認されており、そのうち9例はPET/CT陽性・骨シンチ陰性、1例はPET/CT陽性・骨シンチequivocal、2例はPET/CT equivocal・骨シンチ陰性であった。
© 2010 American Society of Clinical Oncology. All rights reserved. Morris PG ,et al. J Clin Oncol. 2010 Jul 1;28(19):3154-3159
Cancer: A Prospective Comparative Study of Dual-Time-Point FDG-PET/CT, Contrast-Enhanced CT, and Bone Scintigraphy
J Clin Oncol. 2016 Jun 1;34(16):1889-1897
乳癌の再発が疑われる患者においてFDG-PET/CT、造影CT(ceCT)、及び骨シンチ(BS)の正診度を前向きに調査した研究論文。各画像は4段階評価で視覚的に読影され、読影者は他の検査結果については知らされていない。参照基準は治療の決定及び臨床経過観察(中間値は17カ月)や生検より。 FDG-PET/CTでの偽陰性はなく、他のイメージング手法よりも偽陽性が少なかった。また、FDG-PET/CTの正診度は遠隔、骨及び局所再発の診断においてceCT単独もしくはBSと組み合わせたceCTよりも高かった。
Adapted from Hildebrandt MG, et al. J Clin Oncol. 2016 Jun 1;34(16):1889-1897 Readers are encouraged to read the entire article for the correct context at jco.ascopubs.org.
PET/CTを乳癌骨転移診断でどう使うか?
東海大学医学部外科学系 乳腺内分泌外科学 教授 新倉 直樹 先生に、骨転移が疑われる症例で骨シンチとPET/CTを比較した前向き臨床研究をご紹介いただきました。
PET/CTを乳癌骨転移診断でどう使うか?