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- ● 紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。
「警告・禁忌を含む使用上の注意」等については添付文書を参照ください。 - ● DaTViewによる画像解析は、「核医学画像解析ソフトウェア medi+FALCON」†を使用することで実施可能です。(† 承認番号: 301ADBZX00045000)
- ● DaTSCANによるSPECT画像の定量的指標であるSBR(Specific Binding Ratio)は使用機種、コリメータ、画像再構成法等によって異なりますので、その解釈には十分ご注意ください。
DaTSCANによりSWEDDs*と診断した症例 *Scans Without Evidence of Dopaminergic Deficit
症例提供 : 国立精神・神経医療研究センター 脳神経内科 向井 洋平先生
村田 美穂先生**
** 国立精神・神経医療研究センター病院 元病院長
パーキンソニズムを認めたため、神経内科へ紹介され受診した。
初診時の神経学的診察所見は「マイヤーソン徴候陽性、小声、脂ぎった仮面様顔貌。
静止時振戦は右上肢に常時出現、左上下肢にも間欠的に出現。
指タップ、回内回外運動、踵タップで寡動を認めたが左右差は乏しかった。
歯車様筋強剛は上肢で右優位、下肢では左右差はなかった。 歩行時の両手の振りはなかった。」
念のためレボドパ合剤100mgを1回服用してみたが全く効果はなかった。 精神科にて双極II型障害の治療をまず行う方針となった。
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脳幹や線条体の萎縮は認めない。異常信号も認めない。年齢相応であり、特記事項なし。
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大脳平均血流量は左40.9、右42.2mL/min/100gで正常範囲内。
両側側頭葉から後頭葉に若干の血流低下がある。
後部帯状回、後頭葉内側、基底核部、視床、小脳の血流は保たれている。
Delayed H/M比 3.77(閾値 2.2)
Washout Rate 3.2%
心筋への集積は保たれている。
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SBRは使用機種、コリメータ、画像再構成法等によって変動します。
両側線条体への集積は尾状核・被殻ともに保たれている。
■まとめ
当院神経内科初診時にはパーキンソニズムをきたしうる薬剤は使用されておらず、神経学的診察所見からはホーン・ヤール 2度のPDとして矛盾しなかった。DaTSCANによりSWEDDsと診断したことで、不必要なドパミン補充療法を行うことを避けられた。