創薬
生体内で起きている分子レベルでの変化や反応を画像化(分子イメージング)できる放射性医薬品の特性を生かし、可視化によってこれまで困難だったタイプのがんの診断を可能にしたり、認知症の原因と疑われる物質を描出することで病態解明を助けるなど、新たな分野での利用法を開拓しています。 また、近年世界的に注目されているセラノスティクス(治療と診断の融合)にも取り組み、治療用RIとなるα線放出核種の生産研究と、それを用いた創薬研究も進めています。
αSTARTZ
腫瘍抗原に特異的に結合する抗体などのさまざまな分子に、他にはない当社独自の技術を用いて、治療用にアクチニウム225、診断用にジルコニウム89を部位特異的に標識させることができます。私たちはこの技術(αSTARTZ*)を使った標的α線治療(TAT)薬の研究開発を進めています。
*225Ac-α Site Targeting Advanced Radioisotope Treatment via 89Zr-CDx
受託事業を通じた治療薬開発への貢献
自社での放射性医薬品(PET/SPECT)開発で培われた技術を製薬企業やアカデミアでの創薬活動にお使いただくためのサービスとして、非臨床PETイメージング試験(詳しくはこちら)およびRI治験使用薬製造(詳しくはこちら)の受託事業に取り組んでいます。当社独自の技術で広く医薬品開発に貢献するだけでなく、将来の核医学の発展にも繋がる重要な活動と位置付けて取り組んでいます。
知的財産戦略
当社は、医薬品・医療機器における知的財産権の重要性を認識し、他者の知的財産権を尊重しつつ、当社が開発した技術や製品を保護するため、戦略的に知的財産権を獲得・維持しています。また、外部研究機関との連携において創出される発明に対しても積極的に特許出願・権利化にあたっています。製品保護に関しては、物質特許のみならず、用途・製法・製剤・画像処理ソフトウェアなどの関連特許出願を含めたパテントポートフォリオを構築し、意匠権や商標権も活用して製品の多面的な保護を推進しています。2020年からは創薬研究所に知財リエゾンを配置して研究開発段階での連携を強化し、2024年には法務・知的財産部の創設により、法務チームとの連携も密にした知財活動を行っています。また、従業員の職務発明に対する規程を定め、社内における知的創造活動の推進に努めています。