核医学の基礎知識

核医学検査とは

早期発見に欠くことができない核医学診断
核医学診断とは?

核医学検査は、アイソトープ検査またはRI(アールアイ)検査とも呼ばれ、特定の臓器や組織に集まりやすい性質を持った放射性医薬品を使って、そこから放出される放射線(ガンマ線)をガンマカメラで画像化することにより体内の様子を調べる検査です。

 

核医学検査の流れは、放射性医薬品を患者さんに投与し、ガンマカメラで画像化することにより体内の様子を調べる検査です。投与後にガンマカメラのベッドで撮影します(息を止めてもらうことはありません)。撮像時間は検査によって異なりますが、15分から1時間ぐらいです。

 

放出される放射線を専用のガンマカメラ/PETカメラでとらえる図

 

放射性医薬品の分布を画像にすることをシンチグラフィといい、得られた画像をシンチグラムといいます。CTと同様の原理で断層像にしてみることもできます。

 

CT検査やMRI検査は、主に臓器の形態の異常を調べるのに対し、核医学検査は、投与された放射性医薬品の分布や集積量、経時的変化の情報から、臓器や組織の形態だけでなく、機能や代謝状態などを評価することができます。機能や代謝状態の異常は形態の変化の前に発現しますので、核医学検査によって病変の早期発見につながる可能性があります。

 

核医学検査では、投与する放射性医薬品の種類により、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)検査とPET(Positron Emission Tomography)検査に分かれます。
SPECT検査では1方向の放射線を放出する放射性同位元素(single photon emitter)を利用した医薬品を用いるのに対し、PET検査では2方向の放射線を同時に正反対の方向に放出する放射性同位元素(positron emitter)を利用した医薬品を用います。

 

放射性医薬品について

核医学検査で用いる薬品は放射性医薬品といい、放射線を出すラジオアイソトープ(RI)でしるしをつけています。検査の目的や臓器、組織に応じて ラジオアイソトープが選択され、それらのラジオアイソトープが放出する放射線を利用して、病気の診断や治療を行います。

 

核医学紹介画像

 

SPECTとPET
核医学検査に使われるガンマカメラは、大きく分類してSPECT(スペクト)装置とPET(ペット)装置があります。

 

SPECTは1台から4台の検出器で構成されていますが、多くは2検出器型のガンマカメラが使用されています。
PETの多くはリング型検出器を有しており、外見はCTに類似しています。

 

また、最近のSPECTPETにはCTと合体したものがあり(SPECT/CT、PET/CT)、人体組織に起因する減弱補正やCT画像との重ね合わせ画像(融合画像)の作成が容易に実施できます。

 

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